研究
これまでに実施してきた研究内容
太陽電池

化学的・機械的に安定で資源制約の少ないナノカーボン材料に着目し、カーボンナノチューブ(CNT)薄膜の化学ドーピングによる高導電化と電荷選択性制御を通じて、二次元カーボン系透明電極を開発する。特に、挑戦的課題であるCNTのn型電極化を実験・理論の両面から推進する。さらに、有機合成によるフラーレンの化学修飾により、熱・形態安定性および電子移動度に優れた真空蒸着可能なフラーレン誘導体を創製する。これらの材料を基盤として、CNT有機薄膜太陽電池(CNT-OPV)、高耐久ペロブスカイト太陽電池(CNT-PSC)、シリコン/ペロブスカイトタンデム太陽電池、ならびに次世代有機フォトダイオード(OPD)を開発し、ナノカーボン材料を基軸とした新しいエネルギー・有機エレクトロニクス分野の創出を目指す。
CNT薄膜透明電極を基盤技術として、有機太陽電池およびペロブスカイト太陽電池の開発を行う。高導電・高耐久なCNT電極の実装を通じてデバイス性能の向上を図るとともに、実証実験に取り組み、次世代太陽電池の社会実装を目指す。

山間地域での水素エネルギー普及に向けた低純度水素対応PEFC開発
~低コスト燃料電池~

研究リーダー | 名古屋大学大学院工学研究科 特任講師 Miftakhul Huda |
事業化リーダー | (株)名城ナノカーボン 橋本 剛 |
参画機関 | 名古屋大学・千葉大学・(株)名城ナノカーボン・(株)クリアライズ |
山間地域への水素エネルギー普及には、バイオマスや廃棄物由来の低コスト・低純度水素に対応するPEFCが有効である。現状、これらの水素はCOやH₂S等の不純物が多く未利用で、高純度化は製造コストの約50%を占めるため高価であり、未精製では燃料電池性能が低下する。この解決には、改質時に発生する不純物に対する高い被毒耐性を持つアノード触媒の開発が必須である。
我々は、カーボンシェルとPt系コアからなる被毒耐性触媒を開発・実証し、さらにデータベース化、機械学習、あいちシンクロ放射光測定でメカニズムを解明し性能向上を図る。これにより、低純度水素対応PEFCの普及を通じ、地方での持続可能な水素エネルギーの地産地消を加速する。

全固体電池材料開発

全固体電池は、現行の液性二次電池に替わる次世代の二次電池として注目されている。特徴は、これまで液体が使用されていた電解質部分を固体電解質になっている点で、発火や爆発といった事故を大幅に軽減されると期待されている。
当研究所では、あいち重点研究プロジェクト第IV期に実施していた、フッ化物合金を固体電解質に用いた全固体電池開発を行っている。フッ化物フッ化物合金は、現在主流の硫化物系材料、酸化物系材料と比べて安定性が高い一方、電池性能が低い欠点を持つ。そのため、安定性と性能を両立させるために、5元系合金化することで骨格を担う元素と電池性能を担う元素を区分できる材料設計を実施している。